2011年2月21日月曜日

― 鈴木大司教が注ぎ入れる新たな血により,大破壊後の世界






鈴木一也氏
ゲームクリエイター。デジタルデヴィル株式会社代表。アトラス社員時代にはファミコン版「女神転生」シリーズに,独立後はスーパーファミコン版「真?女神転生」シリーズの制作に関わる。ほか「モンスターメーカー」シリーズ,「真?女神転生TRPG」「偽典?女神転生」などを制作。コミック「真?女
神転生:東京黙示録」の原作も手がけるなど,メガテンを語る上で欠かすことのできない才能である。神話,オカルト,心霊,超古代など,電波系フィールドを猟歩する。最近は転居先の事務所で,出入り口に盛塩をしてひんしゅくを買う。父親は,4Gamerでもおなじみ,世界最高齢ゲームクリエイターの鈴木銀一郎氏

 2009年4月に,正式サービス2周年を迎えたMMORPG「真?女神転生IMAGINE」。「こちら」の開発責任者インタビューでも語られたように,同作は現在,ゲーム内演出や世界観,システムなどあらゆる部分を強化するべく,新体制による開発作業が進められている。



 さらに,「こちら」の記事や,公式サイト内特設ページ“RE-BOOT”でも公開されたが,「真?女神転生」のシナリオ監修を担当していたあの鈴木一也氏が,真?女神転生IMAGINEの開発に参加しているというのだから,メガテンファンならば期待せずにはいられないはず。

 今回4Gamerは,ケイブにお邪魔して,鈴木一也氏,新川はるか氏,福士雅彦氏から話をうかがう機会を得た。タイミング的に,開発作業に関する具体的な内容は教えてもらえなかったのだが,鈴木氏を中心に鋭意制作中という,新シナリオに関する情報もちらっと飛び出したので,ぜひ目をとおしてほしい。

 なお,10月16日に「こちら」の記事でお伝えしたように,ケイブは真?女神転生IMAGINEにおける今冬のマイルストーンを公開し,鈴木一也氏監修のストーリー「Second Wave」が12月に開幕することを明らかにしている。どうやら年内には,真の意味で“メガテン”らしい真?女神転生IMAGINEが楽しめるようになりそうだ。





初期メガテンからIMAGINEまで


鈴木大司教にたっぷり語ってもらった









鈴木一也氏

4Gamer:

 本日はよろしくお願いします。古くからのメガテンファンにとって,鈴木さんが真?女神転生IMAGINEの開発に参加するというのは,非常に大きなニュースだと思います。今回は,メガテンに関する思い出話なども含めつつ,真?女神転生IMAGINEに関してお話をうかがわせてください。
アイオン rmt
 まずは,鈴木さんから見た真?女神転生IMAGINEの印象をお聞かせください。



鈴木氏:

 悪魔が後ろからくっついてくるという時点で燃えますね(笑)。メガテンファンとしては,それだけでも嬉しくなります。デザインもいいですね。戦闘システムも,今までのMMORPGをかなり研究して作られているなと感じました。

 実は,真?女神転生IMAGINEを最初に作るとき,当時のスタッフに「グノーシス思想(編注:ざっくりいうと,人間が肉体/物質世界から浄化され,自分が神であることを認識することで救われると説く,キリスト教の異端思想)でやりたい」と相談されたことがありまして。普通に「真?女神転生」と「真?女神転生II」の空白の時代という設定にしても面白くないと思っ
ていたので,グノーシス主義の思想を入れつつ,しかも,それをちゃんと表現できてるのは,すごいなと思いました。





4Gamer:

 そういえば,鈴木さんは,実はアドバイザー的な立場で,以前から真?女神転生IMAGINEに関わっていたそうですね。



鈴木氏:

 はい。当時のシナリオ担当者に個人的に世界観に関するアドバイスを求められたり,スタッフと花見に行ったりしていました(笑)。



4Gamer:

 お花見なども楽しみつつ(笑),あくまでアドバイザーとしての立場で真?女神転生IMAGINEに関わってきた鈴木さんですが,これからは……というかすでに,同作の開発へ本格的に参加している,という認識でよろしいでしょうか。



鈴木氏:

 はい,直接関わっていますし,長期スパンでの参加になります。数でいくと,シナリオ数にして42話分くらいの予定ですね。当然,その後の展開についても考えていますよ。








ケイブ オンラインサービス部サービス運営グループ プロジェクトマネージャーの新川はるか氏

新川氏:

 スタッフで花見……で思いだしたんですが,メガテンシリーズの開発を始めるときはスタッフみんなでお参りに行く,というのが伝統になっているという話を聞いたことがあります。



鈴木氏:

 はい。なぜお参りに行くことになったのかというと,悪魔合体の元祖である永井豪先生の影響がありまして。あの方は,デビルマンの連載中にほかにも連載を抱えていて,筆が進まなくなってくると,「これは霊障なんじゃないか」と思ったわけです。

 それで「こうなったらお参りに行こう」ということになって,ある程度名前が知られているということもあり,鬼子母神に行かれたんですよ。そしたら,スカっと描けるようになったと。

 で,編集者で一人風邪で行けなかった人がいるんですけど,その人は事故ったそうです。まあそういうエピソードを僕らも聞いていたんで,(最初にメガテンシリーズに関わったときに)じゃあ,最初は絶対にお参りに行こうということになったんです。行ったスタッフはだいたい10人くらいですかね。



新川氏:

 その時って,なにか奇妙な出来事とかって起こったんですか?



鈴木氏:

 いえ,そのときはなかったですね。……いや,ありました。実はスタッフの一人が,鬼子母神の土鈴を踏んづけて割っちゃったんです。そしたら,そのスタッフにザクロ型のアザができてしまいまして。それがしばらく消えなかったという……。



新川氏:

 そんな曰くつきのタイトルですが……最初のメガテンの頃の開発って,ワープロの時代ですよね。



鈴木氏:

 僕が前にいた会社では,パソコンのワープロを使っていたんですけど,当時のアトラスにはそれがなくて(笑)。僕の中では当然ワープロはあるものだと思っていたんで,驚きました。で,ずっと「パソコンとワープロを入れてくれ」って言ってたんです。でも結局ワープロが入ったのは,「デジタルデビル物語女神転生II」の頃でした。やはり一番優先されるのは,
グラフィッカーとプログラマーでした。企画担当にはなかなか支給されなかったので,その辺は苦労しました。



新川氏:

 企画と言えば,真?女神転生を初めてプレイした当時,自分は中学生だったんですけど,真?女神転生(I)をプレイして一番ショッキングだったシーンがあって。序盤で主人公の母親がアマノサクガミに喰われるシーンがあったじゃないですか。あれなんですよ。



鈴木氏:

 それは,神話に出てくる瓜子姫(編注:日本に伝わる昔話,「うりこひめとあまのじゃく」のこと)と,僕が見たゾンビの夢をモチーフにしています。どんな夢かっていうと,街にゾンビが溢れかえってる夢なんです。で,母親がそんな状況なのに,買い物に行くんですよね。「大丈夫よ」とか言いながら。で,しばらくしたら母親が帰ってくるんですけど,様子がお
かしいんですよ。ドアをドン,ドン……って叩くんです。

 で,「これはヤバイ」と思って,妹にも「絶対にドアを開けるんじゃない!」とか言ってるわけです。

 ……まあ,そこで夢は終わるんですけどね。嫌な夢ですよ。



4Gamer:

 相当イヤな夢ですね(笑)。



鈴木氏:

 で,そういう嫌な思いをプレイヤーにも味わってほしくて,真?女神転生のエピソードとして

引用元:売買 不動産 | 大分市

2011年2月14日月曜日

[TGS 2008#006]「MHP2G」,PS3の新機能「アドホック

 プレイステーション 3経由でPSPのアドホックモードをプレイできる新サービス「アドホック?パーティー for PlayStationPortable βバージョン」。2008年10月30日に開始となる同サービスの対応タイトル第1弾に,カプコンの「モンスターハンターポータブル 2nd G」が決定した。同タイトルは,同じく10月30日に,廉価版「PSP the Best」として発売予定だ。

 ちなみに,これまでアドホックプレイというと,対戦/協力プレイするために,プレイステーション?ポータブル同士を無線LANで直接つなげるしかなかった。この点,アドホック?パーティー for PlayStationPortableを使えば,プレイステーション3上のロビーを通じて,PS3とPSPを持つ全国のプレイヤーと遊べるようになるというわけだ。


#### 以下,リリースより ####

カプコンの『モンスターハンターポータブル 2nd G』が250 万本突破!
?2008 年国内市場の販売N o. 1 タイトルへ? ※
※当社調べ


株式会社カプコンは、PSP「プレイステーション?ポータブル」(以下、PSP)向けゲームソフト『モンスターハンターポータブル 2nd G』を国内で250万本出荷しました。更なるユーザー層を開拓するため、パッケージ廉価版の販売を行うことを決定いたしました。さらに、PLAYSTATION3 の新たなオンラインサービスである「アドホック?パーティー for PlayStationPortable βバージョン」が開始されることに伴い、同サービス対応タイトルの第一弾に『モンスターハンターポータブル2nd G』が決定しましたので、合わせてお知らせいたします。

「モンスターハンター」シリーズは雄大な自然の中で、巨大なモンスターに立ち向かうハンティングアクションゲームです。同タイトルの特徴は、「友人と協力して強大なモンスターに挑む」という画期的なゲームスタイルであり、ゲームを通じた新しいコミュニケーションの形態を創出しました。これがユーザーの皆様の幅広い支持を受けて、2008年3 月27日の発売以来、社会現象的なヒットとなっております。そして発売日以降も、厚い支持をいただいているファンの満足度を高めるために、モンスターハンター関連の多彩な独自イベントなどを数多く開催しており、一般的なゲームのプロモーションの枠を超えたファンコミュニティの育成支援にも積極的に注力しております。
また当社は同作のパッケージ廉価版の販売を決定しました。これにより、同作の持つ幅広いユーザーニーズに応えるポテンシャルを十二分に発揮し、更なるユーザー層の深耕を実現すること で、タイトル価値を一層高めてまいります。

さらに、ソニー?コンピュータエンタテインメントジャパンが10月30日より提供する予定の、PS3経由でPSPのアドホックモードをプレイできる「アドホック?パーティー for PlayStationPortable βバージョン」の対応ソフト第一弾として「モンスターハンターポータブル 2nd G」が決定いたしました。これにより、全国各地のモンスターハンターのプレイヤーがネットワーク経由で協力プレイを行うことが可能となります。※1
当社は、今後も高度な開発力と基礎研究の成果を発揮し、新たな技術に積極的に対応することで、オリジナリティ溢れる多彩なゲームタイトルを創造し、ユーザーの皆様の期待に応えてまいります。

※1)お客様が利用されている通信環境によっては、「アドホック?パーティー for PlayStationPortable βバージョン」を介してゲームが正常に動作しない場合があります。

【商品概要 】
1. タイトル名
(1) モンスターハンターポータブル 2nd G
(2) モンスターハンターポータブル 2nd G
ハンターズパックG(PSP本体同梱版)
(3) モンスターハンターポータブル 2nd G PSP the Best
2. ジャンル ハンティングアクション
3. 対応機種 PSP「プレイステーション?ポータブル」
4. 発売日 (1) (2) 2008 年3 月27日
(3) 2008年10 月30日予定

※ 「プレイステーション」および「PSP」は株式会社ソニー?コンピュータエンタテインメントの登録商標です。

※ ご参考(実績値はすべて国内)
PSP『モンスターハンターポータブル』(発売日:2005 年12 月1 日)
累計出荷本数:120 万本(10 月9 日現在)

PSP『モンスターハンターポータブル2nd』(発売日:2007 年2 月22 日)
累計出荷本数:220 万本(10 月9 日現在)
100 万本突破:2007 年3 月6 日(発売13 日後)

PSP『モンスターハンターポータブル2nd G』(発売日:2008 年3 月27 日)
100 万本突破:2008 年4 月1 日(発売6 日後)
200 万本突破:2008 年4 月24 日(発売29 日後)
250 万本突破:2008 年10 月9 日(発売197 日後)



PS3を通じてPSPユーザー同士が協力/対戦プレイを楽しめる
アドホック?パーティー for PlayStationPortable
2008年10月30日(木)よりβバージョンのサービスを開始

ソニー?コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)※1 は、PSP「プレイステーション?ポータブル」(PSP)ユーザー向けのオンラインサービスとして、PLAYSTATION3(PS3)を介してPSPユーザー同士がネットワーク経由でアドホックモードの協力/対戦プレイをお楽しみいただけるネットワークサービス「アドホック?パーティー for PlayStationPortable」のβバージョンを、2008年10月30日(木)より無料で提供いたします。

PlayStationStoreからPS3に専用アプリケーションをダウンロードすることにより、複雑な操作や設定を必要とせず、手軽に「アドホック?パーティー for PlayStationPortable」をご利用いただくことが可能です。サービス開始当初は、PSP専用ソフトウェア『モンスターハンターポータブル 2nd G』(株式会社カプコン)に対応しており、今後は『PHANTASY STAR PORTABLE』(株式会社セガ)をはじめとする各種タイトルも順次対応を予定しております。※2

ユーザーの方々は「アドホック?パーティー for PlayStationPortable」をPS3で起動し、PS3内の「ロビー」と呼ばれるユーザー同士が交流を図る場所で、テキストチャットなどによるコミュニケーションを行えます。その後、「ロビー」内で「ルーム」を作成し、ルームに入ったユーザー同士でPSPのアドホックプレイを楽しむことができます。さらに、アドホックプレイ中には、PS3用「ワイヤレスヘッドセット」※3 やPS3用USBカメラ「PLAYSTATIONEye」※4を用いたボイスチャットが可能となっており、ユーザー間で臨場感のあるコミュニケーションをお楽しみいただけます。

SCEJは、PlayStationNetworkでお楽しみいただけるコンテンツとサービスをさらに拡げることにより、PS3およびPSPプラットフォームの普及拡大を強力に推進してまいります。

以上

※1 株式会社ソニー?コンピュータエンタテインメントのディビジョンカンパニーとして国内向けビジネスを担当。
※2 本サービスでは、全てのアドホックモード対応タイトルが動作する事を保証しておりません。お客様が利用されている通信環境やゲームソフトウェアの仕様によっては、ゲームが正常に動作しない場合があります。対応タイトルに関する情報は、随時、公式サイトPlayStation.com(Japan)にてご案内いたします。
※3 2008年10月30日発売予定。
※4 本サービスは、カメラ機能に対応しておりません。
※ 「アドホック?パーティー for PlayStationPortable」のβバージョンは、PS3とPSPのシステムソフトウェアを最新のバージョンにしてご利用ください。

【サービス概要】
※「PlayStation」、「PLAYSTATION」、「PS3」および「PSP」は株式会社ソニー?コンピュータエンタテインメントの登録商標で
す。その他記載されている名称は各社の商標または登録商標です。


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引用元:エターナルカオスNEO(NEO) 情報局

2011年2月10日木曜日

5万円台のマルチタッチ対応ミニノート――「Eee PC T91MT」をいじり倒す

 今度のEee PCはいつもと大きく違う。約960グラムの軽量ボディにタッチパネルやワンセグチューナーを搭載し、携帯性と多機能を両立しているのだ。早速、試してみよう。

【拡大画像や他の紹介写真】

 ASUSTeK Computer(ASUS)の「Eee PC」シリーズからタッチスクリーンを搭載した「Eee PC Touch」シリーズが登場した。その初代製品となる「Eee PC T91MT」は、8.9型の回転式ワイド液晶ディスプレイを搭載した小型軽量なコンバーチブル型タブレットPCだ。OSは32ビット版Windows 7 Home Premiumをプリインストールしている。

 ボディのサイズは225(幅)×164(奥行き)×25.2?28.4(高さ)ミリ、重量は約960グラムとコンパクトに仕上がっている。実測でも重量は969グラムと、ほぼ公称値通りだ。最厚部と最薄部の差も少ないため、バッグなどへの収まりもよい。Eee PCといえば、丸みを帯びたボディデザインによるカジュアルなイメージが強いが、T91MTは比較的直線的なフォルムとなっており、ビジネスツール的な雰囲気も少し感じられる。

 内蔵のリチウムポリマーバッテリー(2セル)は公称駆動時間が約5.1時間とされており、1キロ以下の重量を考えると優秀だ。詳しくは後述するが、省電力に配慮したプラットフォームの採用がこれに貢献している。従来のEee PCシリーズと同様、携帯性に優れる小型軽量タイプのACアダプタも付属する。ACアダプタのサイズは35(幅)×85(奥行き)×26(高さ)ミリ、ケーブルも含めた総重量は約215グラムだ。

 モバイルPCとして携帯性は申し分ないといえるが、バッテリーが着脱式ではなく、内蔵されていて交換できない点は気になる。

●Atom Zシリーズの基本システムを採用

 小型軽量と省電力に注力しているだけに、基本スペックは控えめだ。CPUはAtom Z520(1.33GHz)、チップセットはグラフィックス機能(Intel GMA 500)統合型のIntel SCH US15Wを搭載する。メインメモリは標準で2Gバイト(DDR2-4200)だ。背面の小型カバー内にSO-DIMMスロットが1基あり、標準で2Gバイトのモジュールが装着されている。

 データストレージは32Gバイトの2.5インチSSDを内蔵する。最近のミニノートPCとしては容量がかなり少ない点は覚えておきたい。500GバイトのWebストレージ(ASUS WebStorageサービス)を12カ月間無料で使用できる権利が付加されているので、モバイルシーンではこちらをうまく活用したいところだ。

 ちなみに今回入手した機材のSSDは、サンディスクの「pSSD-P2」を採用していた。Netbook/MID向けの低価格モデルのため、あまり高い性能は期待できないが、機械動作部品がないことによる静音性、衝撃や振動に強いSSDならではの安心感は、こういった小型軽量ノートPCにとって大きなメリットだろう。光学ドライブは内蔵せず、ゼロスピンドル構成となっている。

 付加機能としては、ワンセグチューナーの内蔵が目を引く。付属のアンテナを接続すれば、手軽にワンセグが楽しめる。視聴ソフトはサイバーリンクの「TV Enhance」が標準搭載されているが、録画には対応せず、行なえるのは視聴のみだ。TV Enhanceはタッチパネルでの操作にも対応しており、画面上で指を上下にスライドさせるとチャンネル切り替え、左右にスライドさせると音量調整、スクリーン上をダブルクリックするとウィンドウ最大化が行える。

 SDメモリーカードスロット(SDHC対応)を2基搭載するのもポイントだ。1基のスロットに大容量のSDHCメモリーカードを差したままにしてSSDの容量不足をカバーしつつ、フリーになっている別のスロットでデジタルカメラなどとのデータのやりとりを手軽に行えるので重宝する。1基は左側面の奥にあって密閉型のカバーが付いており、もう1基は前面にあってダミーカードが装着されていることを見ても、こうした用途を想定したものと思われる。

 そのほかのインタフェースは、2基のUSB 2.0、アナログRGB出力、ヘッドフォン、マイク、ワンセグのアンテナ入力を備えており、液晶ディスプレイの上部には30万画素のWebカメラとアレイマイクを内蔵している。USB 2.0は左右に1基ずつあるが、左はL字型コネクタを差すACアダプタ用のDC入力がすぐそばにあり、少し煩わしく感じた。ワンセグのアンテナ入力も右側面の手前側にあり、利用時はUSBやヘッドフォンのケーブルと干渉しないよう注意が必要だ。

 通信機能は有線LANが100BASE-TXまでの対応にとどまるが、IEEE802.11b/g/nの無線LANとBluetooth V2.1+EDRも内蔵しており不満はない。

●マルチタッチ対応の回転式液晶ディスプレイを搭載

 液晶ディスプレイのサイズは8.9型ワイド、画面解像度は1024×600ドットに対応する。スケーリング機能によって、縦の表示が多少つぶれるが、1024×768ドット表示に設定することも可能だ。2ポイントのマルチタッチ機能に対応したタッチスクリーンを採用しており、ボディ右側面の手前に内蔵するスタイラスペンや指などで、画面に直接触れて操作できる。

 表示品質に関しては、タッチセンサーの影響で画面が少しくすんだような表示となっており、視野角もかなり狭い。2?3年前までの抵抗膜方式を採用したタブレットPCにはこのようなものがよく見られたが、最新の製品としてはもう少し頑張ってもらいたかった。6万円を切る低価格帯で多機能を詰め込んだため、ここは仕方がないところだ。

 ヒンジ部分は180度まで開き、さらに180度回転する2軸ヒンジとなっており、折り畳んでピュアタブレットスタイルで利用することもできる。画面の表示方向は液晶ディスプレイの左下にあるボタンの長押しで切り替えられる。ボタンを長押ししていると表示方向を示すアイコンの向きが90度単位で順次変わっていくので、表示させたい方向に向いたときにボタンから手を離せばよい。

 本体をピュアタブレットスタイルにして、付属のスタイラスペンや指で画面に触れて操作するスタイルならば、電車内などで立ったまま利用できる。Windows 7 Home Premiumには手書き認識に対応した入力パネルやペン入力前提のアプリケーション(Windows Journalなど)が用意されており、Webブラウズ時の検索、簡単なメモやメールの作成ならばペン入力のみで十分行なえる。

 T91MTのような小型軽量ノートPCとマルチタッチ機能との相性は非常によいといえるし、タッチタイプによる本格的な文字入力を行いたい場合に対応できるキーボードも備えている。

●タッチ対応アプリケーションは多数付属するが……

 マルチタッチ機能に対応したアプリケーションとしては、壁紙作成ソフトやゲームなど6つのアプリケーションからなるWindows 7の「Microsoft Touch Pack」のほか、独自のアプリケーションとして、写真管理/アルバム作成ツールの「フォトファン」やメモ付き計算機などが用意されている。

 これら独自のツールはWindows 7のデスクトップ画面上部に常駐するランチャーソフト「Eee Docking Touch」からアクセスできる。また、タッチ操作に最適化された大きなアイコンから各種アプリケーションなどにアクセスできる全画面メニューの「Touch Gate」も備えている。全画面メニューとWindows 7デスクトップ画面の切り替えは液晶ディスプレイ下部のボタン1つで行なえる。

 もっとも、日本向けの製品企画としては少々疑問も残る。「Eee Docking Touch」にはオンラインコンテンツにアクセスできる「ASUS@Vibe」や「AP Bank」などもあるが、前者のコンテンツは海外仕様のままだし、後者のゲームなどもやはり海外仕様の体験版であり、国内ユーザーにアピールするには厳しいだろう。

 特にライトユーザー向けのランチャーメニューに標準でこういうものが含まれていると、PCに不慣れなユーザーが価格に引かれて買った場合、取っつきにくいと感じてしまい実にもったいない。低価格なノートPCであっても、タッチパネル用のソフトをしっかり付けようという姿勢は評価したいが、日本版では思い切ってカットしてもよかったのではないだろうか。

 また、Microsoft Touch Packの使用感も気になる部分がある。画面の狭さやCPUの遅さから操作がもたつくことがあり、データストレージ容量の小ささも画像データなどを扱う点ではネックとなるだろう。

 Microsoft Touch Packはユーザーがタッチ機能に親しむためのとっかかりとして適したソフトではあるが、PCのキーボードとマウスによる操作になじめないユーザー向けという側面も強い。特に画面が小さなAtom Z搭載モバイルマシンのT91MTでは、その利便性をうまく発揮できないことも少なくない。

 つまり、タッチパネルとコンバーチブル型ボディを採用したことで、ピュアタブレットPCのスタイルでWindows 7をタッチ操作できる点は、電車の中や寝ころんで利用する場合などに便利だが、付属のマルチタッチ対応ソフトは使い勝手がいまひとつなものも少なくない、というのが率直な感想だ。

●小さいながらも十分使えるキーボードとタッチパッドを用意

 キーボードは主要キーのキーピッチが実測で縦15.5×横14ミリ、最上段のファンクションキーなどのピッチは同じく実測で縦12.5×横11.5ミリと、10型クラスの液晶ディスプレイを搭載したNetbookに比べると少し小さい。

 ただし、キーレイアウトについては半角/全角キーが最上段にある程度で、操作性を阻害するような配列のクセは見られない。個人差は多少あるだろうが、慣れればタッチタイプは可能なレベルといえる。

 キーのスイッチはやや反発が強めで、カチャカチャと音が鳴るのは少し気になるが、キートップには軽くくぼみが付いていて指が置きやすく、ユニットの固定もしっかりしており、タッチ感はおおむね良好だ。

 2ボタン式のタッチパッドは少しホームポジションからずれたボディ中央に配置されている。左右のクリックボタンは一体成型されており、カチカチと少し軽い音がするが、スイッチの位置が少し高めに配置されているためか使用感はよい。

 タッチパッドにはシナプティクスのドライバが導入されており、2本指での縦横スクロールや、ページ/画像送りに使える「3本指ではじく」などのマルチタッチジェスチャー機能が利用できる。

●静音性、発熱の処理はいずれも優秀

 ベンチマークテストの結果は下記に掲載している。Atom Z520とUS15WというミニノートPCでおなじみの基本システムのため、SSDの性能がカギとなるが、WindowsエクスペリエンスやPCMark05のHDDスコアを見ると、5400rpmの2.5インチHDDとほぼ同レベルかわずかに下といったところだ。評価機に搭載しているSSDがサンディスクの「pSSD-P2」なので妥当なスコアだろう。

 このSSDは廉価版ながら不揮発性メモリのキャッシュを搭載していることでレスポンスの低下を防ぐ構造になっているのが特徴だが、CrystalDiskMark 2.2(ひよひよ氏作)の結果にもそれは現れている。ランダムライト4Kバイトは廉価版としては高速なほうだが、ほかのライト性能やシーケンシャルリードはHDDより遅い。全体的にも特にパフォーマンス面でSSDの高速性は感じられず、ごく普通のAtom Z520システムのスコアだ。

 実際の使用感としては、Webアクセスなどがワンテンポ遅い印象はあるが、少し慣れれば特にストレスというほどではない。ただ、アプリケーションのインストール時などは待たされる印象が大きい。

 バッテリーの駆動時間はBBench 1.01(海人氏作)でテストした。ASUS独自の省電力技術であるSuper Hybrid Engineは無効にして、電源プランはOS標準の「バランス」、液晶ディスプレイの輝度は40%で測定している。20秒間隔でキーストローク、120秒間隔でWeb巡回を行う設定でテストしたところ、駆動時間は4時間32分でバッテリー残量が6%だった。モバイルPCとして実用的な駆動時間といえる。

 発熱や静音性は優秀だ。ボディの温度については、動画観賞などで長時間利用し続けていても表面が高熱を帯びることはなく、底面中央付近がじんわりと温まる程度だった。室温20度の環境でPCMark05を実行した直後のボディ表面温度は、キーボード左が32度、キーボード右が31度、パームレスト左が30度、パームレスト右が28度、底面左が38度、底面右が35度と放熱性が高い(いずれも各部の最高温度)。

 静音性に関してはファンレス設計かつSSDを搭載したモデルなので、低負荷時、高負荷時ともほぼ無音だった。テスト時の室温が20度と低いことを割り引いても、優秀な熱設計といえる。

●若干のパワー不足を割り切れるなら、買い得感が高い多機能なミニノート

 Eee PC T91MTの価格は5万9800円、店頭での実売価格は5万円台半ばから後半となっている(2010年2月26日現在)。Netbook系のAtom Z520搭載機にしては割高に思えるかもしれないが、小型軽量ノートPCとして十分な実用性を持っていることに加えて、マルチタッチ機能やワンセグチューナーなどを装備しており、バッテリー駆動時間や放熱性、静音性も問題がない。

 非力なハードウェアに少々機能を盛り込みすぎている印象はあるが、パフォーマンス面を割り切れるのであれば問題はなく、モバイルマシンでWindows 7のタッチ操作を楽しみたいユーザーにとって、買い得感は高いといえる。【鈴木雅暢(撮影:矢野渉)】

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引用元:エターナルカオスNEO(NEO) 情報局